中国・四川省 峨眉山

峨眉山とは
『峨眉山(がびさん)』という名前をご存知ですか?私は名前は知っていたのですが、その名前の由来については知りませんでした。『峨眉』とは、少女の眉のことで、山の形がそのように見えるため、『峨眉山』と呼ばれているそうです。
 今日は、『峨眉山風景区(がびさんふうけいく)』へ成都から日帰りで出かける。成都の南西約160キロメートルに位置し、最高峰3099メートルの『峨眉山』を中心とした景勝地である。植物は約3000種、動物は約2000種が生息していると言われる。
 ここは、『普賢菩薩(ふげんぼさつ)』の山であり、山中には報国寺、伏虎寺、華蔵寺など多くの寺院がある。『普賢菩薩』と『文殊菩薩(もんじゅぼさつ)』は、『釈迦如来(しゃかにょらい)』の脇侍(きょうじ、わきじ)、すなわち、中尊である仏の左右に控え補佐する役割をもつ菩薩であり、『釈迦三尊』として、ここだけではなく、多くの名刹寺院に祀られている。『文殊菩薩』が悟りの知性的側面を象徴しているのに対して、『普賢菩薩』はその実践的側面を象徴している。簡単に言うと「悟りに入らず、衆生のなかで他者に対する慈悲を重視して衆生を救済していく」ことである。
 普賢菩薩が、『釈迦如来』 の右脇侍(向かって左側)として、六つの牙を持った『六牙の白象(ろくげのびゃくぞう)』に乗った姿を見たことがあると思います。あれですよ。今日も見られますよ。この位置関係でも両者を見分けることができますが、一般的には文殊菩薩は獅子に乗っています。
 さて、峨眉山風景区に戻りましょう。ここ『峨眉山』は、道教や中国の仏教で言う聖地であり、『五台山』、『天台山』とともに『中国三大霊山』と呼ばれる。また、『仏教』のキーワードで括ると、『五台山』、『九華山』、『普陀山』とともに『中国四大仏教名山』の一つである。後日訪ねる予定の『楽山大仏』と合わせて、1996年12月にユネスコの世界複合遺産に登録されている。

成都から峨眉山へ、そして風景区内の移動
 成都の新南門バスセンター(成都旅游バスセンター)から約2時間半で峨眉山旅遊バスセンターに到着する。風景区内の入場料は、185元であったが、老人割引が適応された(割引率は覚えていない)。それと、風景区内の移動はバスが使われ、2日間有効の3回乗車券が 90元であった。峨眉山旅遊バスセンターのスタッフは客慣れしているというか、客の要望を素早く察知して、適切なアドバイスをしてくれて、私以外の訪問者も笑顔で「サンキュー」を返していた。
  「サンキュー」 をもう一つ。実は、乗車券のことで、私は大失敗をしてしまった。3回乗車のうち1回分を使って頂上まで行ったはいいが、途中で乗車券を無くしてしまったのだ。頂上で運転手が代わったこともあって、胸がドキドキ、でも「失くしたことを言うしかない」。お助けマンはどこだ。いた、いたのである。ふもとから頂上までバスを運転してきた運転手が他の用事があってバスに戻ってきたのである。私を指差して、OKを出してくれた。あーあ、覚えていてくれたのだ。無事にふもとに帰ることができる。「ありがとうございます」。

さて、こういう風景区は、言葉による景色の説明よりも写真そのものをお見せしたほうが分かりやすいし、面白いと思うので、説明は簡単にします。

峨眉山入口付近
峨眉山旅遊バスセンター

 峨眉山旅遊バスセンターのスタッフの勧めで、バスセンター前から『雷洞坪』へバスで向かう。意外と遠く、1時間ほど途中の変化する景色を楽しめる。雷洞坪からの眺めを楽しむ人は少なく、多くの人達は1キロメートルほど登った所にある金頂行きロープウェー乗り場に向かう。
 「金の頂」とは、上手な命名である。この高さから眼下に見える景色に圧倒される。この辺りを散策する予定なので、『金頂景区』の案内図の概略を頭に入れるが、方向音痴の私にはあまり役に立たない。観光客が多いので、教えてもらいながら歩こうっと。

ロープウェイ
金頂景区案内図
金頂のシンボル・四面十方普賢菩薩金像(十方普賢)、高さ48メートル
金 頂
標高3077メートルの地点にある華蔵寺(大雄宝殿)。弥勒殿、大雄宝殿、普賢殿の三殿で構成
釈迦如来
文殊菩薩
普賢菩薩
金頂銅殿(普賢殿)。後ろは断崖になっている。仏光などの観測ポイントである
四面十方普賢菩薩金像
広々とした金頂だが、その周りを取り囲むのは驚くほど険しい断崖絶壁。おー、怖い
険しい断崖絶壁
『金頂の日の出』の説明。峨眉山は金色の世界に変わるそうだ。それを観るために、朝4時起きで来る人もいるそうだが、“拝められる保証 はない
雲を眼下に見る
凶暴な猿。気を付けろ