石林風景区のガイダンス
今日は、昆明市街から南東に約80キロメートルの『石林風景名勝区』を訪ねる。ブログのどこかで書いたのだが、日本人にとって、漢字はとても便利な表意文字である。中国語の「読み書き」が全くできなくても、何となく、一部ではあるが、そしてたまには誤解をしてしまうが、「石林」は石の柱が林立した風景」をイメージできること、まさに「読んで字のごとく」である。
私は、土木に関する研究に従事していたことから、ここ石林を有名にしている『カルスト地形』なる用語についても、抵抗が無い。石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地がヒントである。ここの地形は、古生代後期の地殻変動によって海が隆起したことから、その石灰質の岩面が上部に出てきて、その後、削られて造られたものである。つまり、海の底が隆起して石灰岩からなる陸地となり、その後の風化と浸食によって、石の柱が林立する『石林』になったのである。結果として、この奇観を呈する石林は、2004年に『世界地質公園』と認定され、2007年にユネスコの『世界自然遺産』に登録されたのである。総面積は1100平方キロメートル余りで、そのうち約350平方キロメートルが保護エリアとなっている。
石林風景区は大石林景区、小石林景区、歩哨山景区、李子園箐景区、万年霊芝景区などで構成されているが、多くの人は、『大石林景区』、『小石林景区』を回るようで、それだけでも見応えがあるし、時間もかかる。
石林風景名勝区へ
石林風景区へは、ツアーを利用したり、タクシーをチャーターする方法があるが、帰りの集合場所や時間のトラブルが起きるので要注意である。タクシーを使って、『石林風景名勝区』と『九郷石林風景名勝区』の双方を1日で廻って900元というのもあったが、私は時間制限が無く、『九郷石林風景名勝区』は明日訪ねる予定なので、例によって「勝手気まま・最安旅行」を選んだ。バスの利用である。昆明東部バスターミナルは、大きく近代的な建物で、行先を表示した郊外行きのバスが並んでいる。『石林風景区』行きの片道27元のバスチケットを買って、乗車して1時間半で終点。実に簡単である。「方向音痴のお前が言うな」と叱られそうだが、それほど簡単なのである。
朝早かったのだが、東部バスターミナルの前には麺類や饅頭の店が湯気をたててお客を待っている。簡単なものもあれば、雲南名物の汽鍋鶏など、本格的な料理も用意されていた。時間が無いので、最も簡単な麺を頼んだが、お腹がすいていたせいもあるが、温かい麺は美味かったー、安かったー。もう一つ。お姉さんが超美人だったので、帰りも寄った。違う人だった。何も食べないで帰ってきた。
この種の観光資源についての余計な説明は、皆さんには煩わしいと思いますので、ここからは写真を並べさせていただきます。
石林の最後を飾るにふさわしい悲恋物語
『大石林』と比較して観光客が少ない東側にある『小石林』の中で、人気があるのが『阿詩瑪(アシマAshima)』と呼ばれる石峰である。阿詩瑪石という巨石が阿詩瑪伝説の基となったのであろう。話はこうである。
アシマはサニ族の伝説の少女で、阿黒哥という恋人がいた。ところが、地主の息子が横恋慕し、アシマを連れ去ってしまった。阿黒哥は艱難辛苦の末に、恋人アシマを助け出したが、地主の息子は二人を溺死させようと川の堰を切る。哀れアシマは水の底へと消え、残された阿黒哥がアシマの名を呼ぶとアシマの姿を映した石像が現れたという。
アシマについての説明も横に建ててあったのでその写真を載せたが、私は涙で目が曇って、最後まで読み切れなかった。「オペラ良し」、『アンナ・ネトレプコ』でどうだろう。「文楽良し」、玉男が鬼籍に入った今、蓑助か?
中国人も、この種の話が好きなせいか、感情移入して、貸衣装を着てポーズをとっていた。